こんにちは ツナカンです。
私はふだん
適応指導教室のカウンセラー(公認心理師)として
不登校のお子さんや
子育てに悩む保護者の方
学校の先生方
の相談にのっています
これまで適応指導教室について紹介してきました。
お子さんが不登校になり
適応指導教室を使うことに決めたとします。
しかし
どうやったら適応指導教室に通わせられるの?
こんな風に,適応指導教室をどうやったら使えるのか
意外とわからないものです。
手続きにまごついていると
せっかく行く気になった
お子さんの気持ちもなえてしまうこともあります。
私の経験でもご家庭から直接連絡をいただくことが
年に数回はありますが,学校抜きに
直接申し込んでも利用は受け入れられません。
そんなときのために今回は
適応指導教室を利用するときの手続き
についてご紹介します。
この記事を読んでもらえれば
こんなことがわかります。
- 適応指導教室を使うための4つの手続き
- 適応指導教室を利用する前に考えてほしいこと3つ
これを読んでいただければ
適応指導教室に通うための手続きが
スムーズになるでしょう。
スムーズに事が進めば
お子さんのやる気も途切れずに済むはずです。
これは文部科学省の通達にもないし
ネットでもなかなか見かけない情報ですので
きっとお役に立つはずです。
適応指導教室に通うための4つの手続き
適応指導教室に通うための手続きは以下の通りです。
- 学校に相談する
- 適応指導教室を見学・相談する
- お子さんが体験する
- 利用申請書を提出する
その①:学校に相談する
まず,登校渋りや不登校になってしまったら
担任の先生と学校の支援方針を確認しましょう。
その方針の内容に納得がいかないとか
手詰まり感があるようならば
お住いの市区町村に適応指導教室がないか調べてみます。
もしくは学校に聞いてみます。
時々,学校が把握していないケースがあるので
ネットで検索してみればよいです。
え!?学校もわかってないの!?
そのように驚かれるかもしれませんが
残念ながらけっこうあることなのです。
それから,適応指導教室の利用を検討している旨を
伝えてみましょう。
多くの場合,適応指導教室の利用の窓口は学校になっています。
ですから,直接適応指導教室に連絡をしても
利用が始められることはほぼないでしょう。
その②:適応指導教室を見学・相談する
担任の先生に相談すると, 上司に相談し
学校が適応指導教室に連絡を入れてくれます。
あるいは,保護者が直接適応指導教室に連絡を入れることになります。
それから,見学・相談の予約を入れます。
スタッフはお子さんの様子,家庭の状況
学校での状況を丁寧に聞き取ります。
そうして,その適応指導教室内でできる範囲で
お子さんにとってどのような環境が良いのかを
見立てる材料にします。
その際,ご家庭の要望をお伝えすることも良いでしょう。
一方で,限度があることはご理解いただく必要があります。
その③:お子さんが体験する
次は,お子さんに適応指導教室の生活を
体験してもらうことになります。
その適応指導教室や,お子さんによって
体験通室期間は変わります。
時々,焦りから体験通室時間を設けずに
利用申請をされる方もいますが
急いでもたいていは良いことはありません。
実際に体験通室をしてみて
お子さんに合うのかどうかを確かめた方が
お子さんにとって絶対に良いはずです。
その④:利用申請書を提出する
ここまででお子さんが
適応指導教室に通えそう
そう思ったら利用申請書を提出します。
提出先は学校であることが多いのですが
場合によっては適応指導教室に直接提出することもあるようです。
学校でも,適応指導教室でも,提出された申請書は
教育委員会に送られて正式に受理されることになります。
適応指導教室によっては
正式に受理されるまでは登校にカウントされなかったり
利用自体ができないことがあるかもしれませんが
私の勤務している適応指導教室では
体験通室からさかのぼって要録上の出席日数として
カウントすることになっています。
適応指導教室を利用する前に考えてほしいこと3つ
適応指導教室を利用する際に
考えていただきたいことがあります。
- お子さん自身はどうなりたいのか
- 学校に行かないことのメリット・デメリット
- お子さんにどうなってほしいのか
その①:お子さん自身はどうなりたいのか
適応指導教室は学校と比べると
色々な生活は緩いです。
無理やり勉強をさせることもありませんし
来たいときに来て,帰りたいときに帰れることが多い。
そんな環境の中で,お子さんはどうなりたいのでしょうか。
その目的があいまいだと,生活はどんどん乱れます。
家に引きこもっているよりは刺激がありますが
なりたい自分になるための理想像が必要です。
それに基づいて必要なことをスタッフは支援するのです。
将来の方向性のあいまいな状態だと
支援もあいまいになります。
その②:学校に行かないことのメリット・デメリット
いじめなど,学校に行かないことが必要なこともあります。
しかし,行かないことにはデメリットもあります。
じゃあ無理にでも学校に行けというの!?
そう思うのは待ってください。
学校に行かない,行けないようになるには
それぞれに事情がありますので
もちろん無理に学校に行けとは言いません。
しかし,学校に行かないことで
情報が不足したり,学習が遅れたり
人付き合いがますます億劫になってしまったり
適応指導教室ではカバーしきれない
さまざまなデメリットもあるのです。
虐めなど学校に行かない方が良いケースは
確かにあります。
だとしても
いじめがなければ行けていた
そう思うのであれば
学校との接点は何らかの形で持っておくべきです。
相談室登校,保健室登校など,別室に登校するとか
放課後登校など部分的に登校する方法もあります。
不登校・登校しぶりに養護教諭(保健室)に期待できること
また学年の切り替わりや
小学校から中学校になる進学など
きっかけによって人間関係が大きく変わることもあります。
こういう変化をはじめから期待せずに
どうせ無理だとあきらめてしまうと
新しい変化は起こしにくくなってしまいます。
ですから,学年の入れ替わりの時期に
一度くらいは学校の様子を体験してみてほしいのです。
適応指導教室はいつでも開いています。
傷ついたなら,それを癒すこともできます。
傷ついたところから励ますこともできます。
ですから,適応指導教室という選択肢を選ぶことを
急ぐ必要はありません。
その③:お子さんにどうなってほしいのか
適応指導教室の利用が決まると
まずは親御さんは安心します。
はじめはそれで良いと思います。
しかし,何のために適応指導教室を利用するのか
不明確なことがあります。
“適応指導”という以上,何かに適応してもらう必要があります。
文部科学省では学校への適応ばかりでなく
社会への適応をうたっています。
平たく言えば
将来,納税者になってくれればよい
ということです。
とりあえず行く場所が見つかってよかった
ということだけでは
言い方が悪いのですが
託児所になってしまいます。
やはり適応指導教室を利用するにあたっては
保護者として,お子さんにどんなふうに育ってほしいのか
どういう希望を具体的に持ってほしいと思います。
そして,職員と一緒にお子さんの将来を応援してほしいものです。
まとめ
以上,適応指導教室に通わせるための手続きについて解説しました。
色々あって,やっと適応指導教室に行く気になったのに
段取りで,まごついている間に行く気がなくなってしまったら
元も子もありません。
そのためにもスムーズな段取りを知っている必要があります。
今回は,そんなお役に立つはずです。
適応指導教室に通わせようと思ったら
ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。
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お気軽におよせ下さい。
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