こんにちは ツナカンです。
ふだんは心理師として
不登校のお子さん
子育てに悩む親ごさん
学校の先生の応援をしています。
最近になって
校内適応指導教室
がネット記事で目にすることが増えました。
日本教育新聞2022年2月28日「不登校支援 校内教育センター設置など提案、協力者会議」
校内適応指導教室は
学校に行けるけど教室には入れない
そんなお子さんには使いがっての良いところです。
別の記事では校内適応指導教室のメリットとデメリット
をご紹介しました。
しかし、そのメリットもデメリットも
人によって大きくも小さくもなります。
そこで今回は
校内適応指導教室に向いている子、向いていない子
について伝えします。
この記事を読んでもらうと
こんなことがわかります。
校内適応指導が向いている子、向いていない子のポイント
- 教室にもどれる材料があるならメリット大
- 学校に大きな不満があるなら普通の適応指導教室の方がいい
校内適応指導教室に向いている子、向いていない子
適応指導教室はふつう学校の外にありますが
適応指導教室がもつ機能を
学校のなかに作ったのが
校内適応指導教室です。
わたしは学生のころ『心の教室相談員』として
学校のなかの相談室で教室に入れない子たちの支援をしていました。
そのころと、今話題になっている校内適応指導教室は
同じではないかもしれません。
でも記事を見るかぎりでは
- 教育相談員などが担当している
- 人の行き来が少ないところにある
- 遅刻や早退についてきびしくいわれない
- 自主学習スタイル
- 必要に応じて職員から課題が出される
- 自由な活動
これらは、昔からかわらないようです。
そんな経験から
校内適応指導教室に向いている人、いない人
についてお伝えします。
今回は、向き不向きをお伝えするのであって
できる、できないではない ことをご理解ください。
向いている子の5つのポイント
学校の外にある適応指導教室よりも
校内適応指導教室を使う方が向いている子は
こんな子です。
- クラスメートとゆるいつながりがある
- 時間をかければ戻れそうな見通しがある
- 担任の先生との関係が良い
- 別室登校ができている
- 生活の乱れが少ない
①クラスメートとゆるいつながりがある
クラスメートとつながりがあるなら
校内適応指導教室は向いているでしょう。
教室に入れなくても友だちとのつながりを
切らずにすむからです。
また、友だちとのゆるいつながりをきっかけに
教室に戻るチャンスもできるからです。
むしろ、校外の適応指導教室に通ってしまうことで
友だちとの関係がうすれてしまい
かえって学校に戻りにくくなってしまうことさえあります。
わたしが勤める適応指導教室では
クラスメートとのつながりが、うすい子が多く
仲が良いクラスメートが学校にいたり
部分登校などで仲の良いクラスメートができると
学校に通う日数や、滞在時間がのびていきます。
それだけ、友だちの存在は大きいのです。
②時間をかければ戻れそうな見通しがある
時に時間が解決してくれることもあります。
なんとかしようとあがいているうちに
かえって状況を悪くしてしまっていることもあるのです。
もう少し説明を加えると
- 学期や学年のきりかわりで友だち関係が変わる
- 『思っていたより悪くない』と思えるような支援をしてもらえている
- 学年のきりかわりで担任が変わる
こんな想定ができそうなときは
時間が解決してくれることもあるでしょう。
小学校から高校生まで、クラスメート同士の関係は
定期的にシャッフルされます。
それによって、人間関係も大きくかわることがあります。
しかし、それをするのは担任の先生ですし
担任の先生が教室に入れない子に
どんな風に考えているか、どんな応援をしてくれるか
それによっても差できます。
『今教室に入れないとしても、支えてあげたい』
という思いをもって
子どもたちと接してくれたり
保護者と相談したりしてくれているなら
教室に入れなかったとしても大きな支えになるはず。
しかし、残念なことにそれがかなわないこともあります。
そんなときは、かなり消極的ではありますが
担任の先生がかわることで
教室に入れるようになることもあります。
わたしが知るケースでは
担任の先生が根気強くかかわってくれたことで
長い不登校から教室に入れるまでになった子もいます。
“子ども自身ができそうかどうか” だけではなく
そう思えるだけの材料が学校にあるかも重要です。
③担任の先生との関係が良い
担任の先生はどんな子にとっても大切です。
学校のなかで一番近いところにいる人だからです。
長い間、不登校だったとしても
担任の先生のかかわり方が良かったために
学校に行けるようになる子もいました。
わたしが今まで関わってきた子たちには
そういう子は少なくありませんでした。
そんな子であれば、できるだけ担任との距離は
近いにこしたことはありません。
学校の外の適応指導教室に来てしまうと
週に一度、放課後に家庭訪問
適応指導教室に年に数回
くらいしか会うチャンスがなくなってしまいます。
校内適応指導教室を使えれば
担任の先生に会うチャンスはこれよりも
はるかに増えるはずです。
担任の先生がイヤなのでなければ
できるだけ近いところにいる方がよいでしょう。
④別室登校ができている
保健室や相談室など
別室に登校できているのならば
校内適応指導教室はよい選択です。
保健室や相談室よりも、手厚いかかわりが期待できます。
保健室では養護教諭が
相談室ではときどき相談員やカウンセラーが
いっしょにいる時間を作ってくれるでしょう。
しかしどちらも教えるプロではありません。
校内適応指導教室であれば
教師が担当するか、教員資格をもつ教育相談員
が対応してくれるでしょう。
もしそうでなくとも
授業時間外の先生がかかわってくれやすい環境です。
また保健室はケガの手当てのために
相談室は相談のために
生徒や先生、親がしょっちゅうやってきます。
そのためせっかく学校に来ても
肩身のせまい思いをして
すぐに帰りたくなってしまうこともあるでしょう。
こうしたことからも校内適応指導教室の方が
安心してすごしやすい場になるでしょう。
⑤生活の乱れが少ない
生活の乱れが少ないのであれば
校内適応指導教室にチャレンジしてみる価値はあります。
これまで紹介してきたように
校内適応指導教室には
校外にある適応指導教室にはない
いろいろなメリットがありますし
学校から離れてしまうデメリットも
少なくてすみます。
もし生活の乱れが大きい子が
わたしのつとめる適応指導教室に来たとして
学校にいけるようになりたい!
という希望をもっているのならば
まずは生活リズムを作りなおし
それから校内適応指導教室に通えるようになることを
目標にすることを提案するでしょう。
教室に入れなくても
生活の乱れが少ないならば
教室までのステップの一つとして
校内適応指導教室は有効でしょう。
向いていない子2つのポイント
校内適応指導教室に向いていない子は
ズバリ 学校と縁がうすくなりすぎている子 です。
そんな子に
がんばって学校に行こう!
というのはあまりにも辛すぎます。
学校のなにが良いのかさっぱりわからないのですから
行く気になれないのも当たり前です。
たとえばこんなケースです。
- 学校の対応に不満がある
- ずっと不登校で友だちがいない
少し説明をしていきます。
①学校の対応に不満がある
不登校になるまでにきっといろいろなことがあったはずです。
その時に、学校に大きな不満をもっていることもあります。
そんなときにムリに学校に行かせても
また不登校になるだけです。
なぜなら、たとえ学校がなんらかの手を打ったとしても
子どもにとってはほとんどが空回りに感じるからです。
また、学校に来られるようになってもらうには
学校が安全であると感じてもらえなければ
登校は長続きしません。
学校は子どもにとっての居場所でもありますから
そこが安全なところだと思えなければ
戻ることはできないのです。
②ずっと不登校で友だちがいない
学校生活で一番と言ってもいいくらい大切なのは友だちです。
子どもたち同士のネットワークの中に居場所があるから
学校に行く気になれるのです。
先生は、むしろ困ったときにいてくれればいいのです。
不登校は長引くほど友だちのネットワークはうすれていきます。
最終的にはほとんど消えてしまうでしょう。
不登校の子たちは自分の居場所のなさをイメージし
戻ることがむずかしくなっていきます。
だから、どんなにはげましても登校できないことがあるのです。
不登校が長い子にとって学校は人目が多いだけの場所です。
ときには冷たい視線や言葉を投げかけられることもあります。
ですから、しばらく学校に通っていない子にとっては
校内適応指導教室はハードルが高いかもしれません。
ときどき
知り合いないがいないほうが、むしろ気楽
という子もいますので
そういう子にとっては校内適応指導教室は
逆に大きなメリットに変わります。
まとめ
今回は
校内適応指導教室が向いている子・向いていない子
についてご紹介しました。
今回の内容には、わたしの経験や考えが多く
あてはまらないような例外もたくさんあるかもしれません。
今、校内適応指導教室を使うかどうか迷っているならば
校外にある適応指導教室と比べてみて
どちらの方がメリットが多そうか
参考にしてもらえれば幸いです。
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