こんにちは ツナカンです。
私はふだん
適応指導教室のカウンセラー(公認心理師)として
不登校のお子さんや
子育てに悩む保護者の方
学校の先生方
の相談にのっています。
これまで
子どものインターネット・ゲーム依存
についての相談に対応もしてきました。
しかし
ネット・ゲーム依存って言うけど
これからの時代ふつうじゃない?
そんな風に軽く考えていたり
一方で
もう子どもがネット・ゲーム依存になってしまって
どうしていいのかわからない
こんな風に,回復が困難なケースは
少なくないのです。
これまでの相談対応の中から
子どもがネット・ゲーム依存になる親の対応
がわかってきました。
今回は
子どもがネット・ゲーム依存になる保護者のヤバイ対応
について解説します。
この記事を読んでもらえれば
こんなことがわかります。
- 子どもがネット・ゲーム依存になる育て方
- ネット・ゲーム依存になる育て方をする理由
- 子どもをネット・ゲーム依存にさせる親にならない4つのポイント
これを読んでいただいて
これから子どもにスマホを持たせようと考えている親御さん
すでに持たせている親御さん
が,お子さんがネット・ゲーム依存になるのを防ぐ材料になると思います。
また,既にお子さんがネット・ゲーム依存になってしまった
という親御さんでも,これからの対応を考える材料になると思います。
子どもをネット・ゲーム依存にするヤバいポイント5つ
子どもをネット・ゲーム依存にするヤバいポイントは以下の通りです。
- 端末を子どもにあずけっぱなし
- ルールがない
- ペナルティがない
- 子どもがゴネると泣き寝入りする
- 対応に一貫性がない
その①:端末を子どもにあずけっぱなし
スマホは保護者が契約するものです。
子どもには貸し出すだけのことです。
にもかかわらず,子どもに端末を渡して管理しない。
これは危険です。
スマホは大人であっても
理性的にコントロールするのは困難です。
大人は,仕事や家事など
やらねば生死にかかわるような義務がありますから
否応なしにやめることになりますが
子どもには原則そういったものはありません。
どんどん娯楽にのめり込んでいきます。
親が「やばいかも」と思う頃には手遅れになります。
その②:ルールがない
スマホ・ゲーム機等のルールがないと
親がコントロールする口実がなくなります。
一度ゲーム・ネット依存になってしまったら
後になってルールを設けても破られてしまいます。
また保護者も根負けしてしまうことが多いです。
“大きく騒げば保護者が折れる”
ということを自然と学習してしまうのです。
この保護者の根負けが
かえって子どもの反発を強くすることになるのです。
その③:ペナルティがない
ルールを設けたなら,ペナルティももうけるべきです。
またルールを守れなければペナルティを与えるべきです。
そこには同情の余地はいりません。
たんたんと制限をすれば良いし
子どもがペナルティを守れば復帰させれば良いだけです。
しかし,子どもに同情したり,反発されたりして
ペナルティを与えることができない親もいます。
ペナルティには当然子どもの不満が出ますが
保護者が妥協したり,根負けしたりすることが
かえって子どもの反応を強くしてしまいます。
その④:子どもがゴネると泣き寝入りする
ここまで繰り返してきたように
子どもがゴネると泣き寝入りしてしまう
そういうケースは少なくありません。
子どものゴネには色々なパターンがあります。
大声を出す
泣きわめく
悪態をつく
物に当たる
これらは全て不適切な行動です。
これを心理学では
“消去誘発性攻撃”
と呼びます。
ある行動をやめさせるときに
感情が引き起こされる現象です。
これには毅然と対応すべきなのに,泣き寝入りしてしまうと
こういう不適切な行動がエスカレートします。
その⑤:一貫性がない
一度仕切り直してルールを決めたとして
一時的に,子どもも保護者もそのルールを守ったとします。
しかし,何らかの理由で
イレギュラーに子どもが約束を守らずにいたことを
許してしまったり,根負けしたりすることがあります。
これはかえって状況を悪くします。
あるときはダメで,あるときはOK・・・
こういう状態になると,子どものゴネ行動は定着してしまいます。
これが定着してしまうと,長期にわたって依存が続くことになります。
これを心理学では
“部分強化消去効果” と呼びます。
それこそ,ネット・ゲーム依存をきっかけにして
社会的引きこもりにもなりかねません。
ネット・ゲーム依存になる育て方をする理由5つ
ここまで読んでいただいて
耳が痛くなる
という方もいるかもしれません。
あるいは気をつけよう
と思う方もいるかもしれません。
別に子どもを依存症にしようと思って
スマホを持たせたんじゃない!
そう思うのではないでしょうか。
それはその通りです。
では,なぜこれまでのようなことになってしまうのでしょうか
それは以下のような考え方のせいです。
- もう自己管理できる年齢だと思うから
- ネットの時代だから
- みんな持ってるのに持たせないのはかわいそう
- 勉強のため
- 連絡のため
このいずれかの理由で
スマホやゲーム機を
子どもに預けっぱなしにしているのであれば
かなり危険度が高いと考えています。
その①:もう自己管理できる年齢だと思うから
YouTubeや,スマホアプリ,ゲームは
依存性を高めるように巧みに作られています。
目標を設定したり,ユーザー向けに自動的に提案したり・・・
こうした仕組みが依存性を高めます。
これは脳の報酬系と言われる部分を刺激し
ドーパミンという脳内麻薬を生み出します。
ドーパミン自体は人間の生理的なもので
悪いものではないのですが
このシステムは麻薬などの薬物中毒や
アルコール依存やギャンブル依存と同じ
反応を引き起こします。
つまり,物質を体内に取り込まずに中毒者を作れるのです。
年相応になった大人でさえコントロールできないのですから
“子どもにコントロールできるわけもない”
これは,考えなくてもわかることでしょう。
その②:ネットの時代だから
次の項でも同じことが言えるのですが
時代や,他人と同じように
という考え方は
話半分に考えるべきです。
皆がやっているから大丈夫
つい同調するということは誰にでもあります。
私自身もそういう経験は沢山あります。
ついついこういう考え方をしてしまうのは
多くの場合,多忙であるとか
家庭の雰囲気であるとか
深く考えることがむずかしい状況にある時です。
ネットの時代であるからこそ
乗れる波なのか,乗って運ばれる場所がどこなのか
運ばれた先が安全であるのか
一度,立ち止まって考えてみるべきです。
その③:みんな持ってるのに持たせないのはかわいそう
保護者が子どもにスマホやゲームを持たせる時
最も多いのがこの理由だと思います。
その理由には,確かにうなずけるところがあります。
お子さんの中には
スマホがなかったから友だちと連絡が取れなかった。
自分の知らないところで友だちがやりとりしていて
輪には入れなかった。
そういうこともあります。
そういう理由で持たせるとしても
ルールを設けて,それを守らせれば良いのです。
特に夜は心理的にもナーバスになりやすく
そのような時間までスマホを持たせることは
心身ともに有毒であることは疑いようがありません。
その④:勉強のため
近年では国の政策で学習のために
一人に1つのタブレット所持が推進されています。
色々な意味でメリットが大きいと考えられるからです。
依存性の高いもののデメリットを十分に検討せず
国が税金を投入するというのは疑問もありますが
メリットを享受するためにも家庭が管理する必要があります。
これまでにも塾や予備校など
ネットを活用した学習はありましたし
私のサイトでも紹介しています。
え!?国も言ってるし
あなただって紹介してるじゃん!
そう思うかも知れません。
しかし,端末を管理する必要があるのには変わりありません。
基本的に,生体リズムに反する活動は効率が悪い
つまり,夜遅い時間の学習はあまり効率的ではないのです。
ですから,スマホやタブレットを遅くまで持たせて学習させるのではなく
生活リズムを守りながら効率的な学習ができる環境を作るべきなのです。
その⑤:連絡のため
スマホは遊びのためじゃなくて
連絡をとりやすくするため
そういう意見は確かにあるでしょう。
習い事などをさせていれば
夜に連絡を取り合う必要も出てきます。
そんな時,ゲーム機はともかくスマホは便利です。
また安全面からもいつでも連絡が取れるのは良いことです。
しかし,連絡を取れれば良いのであれば
子どもに端末を預けっぱなしにする理由はないはずです。
きちんと時間の制限をもうけるべきなのです。
子どもをネット・ゲーム依存にさせる親にならない4つのポイント
ここまで読んで
もう手遅れだ・・・
という方がいるかもしれません。
それならば,立て直すためにも
続きを読んでいただければ,これからどうすれば良いかわかるし
逆に
うちはちゃんとやれている
という方は,確認のために読めばお役に立つと思います。
子どもをネット・ゲーム依存にさせる親にならない方法は
以下の通りです。
- 自己管理能力は期待せず,依存できない環境を作る
- 家庭内の制限を子ども同士で共有させる
- 子どもには端末もゲーム機も“貸し出す”
- ルール設定は一方的でいい
その①:己管理能力は期待せず,依存できない環境を作る
人は環境に大きく左右されます。
環境を変えるのは大人でさえ難しいこともあります。
まして,子どもが一度,ネット・ゲームにはまりこんでしまったら
自分で環境をコントロールすることはほぼ不可能でしょう。
しかし,子どもに端末を与えているのは親なのですから
コントロールすることもできるはずです。
これは責任などと言う意識の問題ではなく
与えた側がコントロールすることもできる
という客観的な事実です。
実際に環境を変えるには子どもとのやりとりも必要になります。
その方法についてはこちらの記事をご覧下さい。
【解決】ネット・ゲーム依存,私ならこうする
子どもの意思に期待することはせず
保護者がコントロールをするべきです。
その②:家庭内の制限を子ども同士で共有させる
子ども同士のしがらみが
ネット・ゲーム依存を助長するケースがあります。
ネットワークゲームであったり
LINEでのやりとりなどです。
私自身もオンラインゲームをしていたことがあり
会ったこともない人と協力し合う楽しみを味わいました。
一方で,寝不足になってしまって仕事中に眠くなってしまったり
ゲームができない時間にイライラしてしまうこともありました。
そんな中で,ふと現実の世界は何も変わっておらず
むしろ悪化していることに気づきました。
こうしたことから,次第にオンラインゲームから身を引くようになりました。
子どもにとっての時間は大人以上に価値の高いものです。
その時間を無駄に消耗しないためにも
ルールは設定すべきです。
それが子どもにとってのハンデのように思われることがありますが
そんな時は,子どものネットワークで
家庭のルールを共有してもらいましょう。
例えば
「22:00~6:00は音信不通になります」
と子どもたち同士で共有してもらうのです。
すると無理な連絡は来なくなります。
また端末は寝室には持ち込ませるべきではありません。
端末が近くにあると言うだけで睡眠の質を下げると言われています。
その③:子どもには端末もゲーム機も“貸し出す”
子どもには端末もゲーム機も買い与えないで下さい。
あくまでも“貸し出し”にして,権限は親が持っているべきです。
仮にお年玉などで子どもが自力で買ったのだとしても
あなたのお金で買ったとしても
あなたを育てるのは親だから
自由にはさせません
などと言うくらいの勢いで
管理の権限だけはゆずらないで下さい。
条件をつけた上で
子どもが自分の環境をどの程度コントロールできるか
を見ながら少しずつ緩めていくのが無難です。
その④:ルール設定は一方的でいい
子どもからすれば不条理だと思うかも知れませんが
初めのルールは一方的で良いです。
むしろ,最初の機会を失ったら二度目のチャンスはないでしょう。
いずれは子どもが自分で管理できるようになってもらいたいでしょうから
ルールは少しずつ一貫性を持って緩めていけば良いのです。
例えば
テストで~点以上とったら~分増やしてあげる
宿題が先に終わったら~分やってもいい
などです。
こうすることで自分自身にルールを課すことを学びます。
無条件で与えると言うことは
こういう教育の機会を失うと言うことなのです。
まとめ
以上,子どもがネット・ゲーム依存になる保護者のヤバイ対応
について解説しました。
ふつうのことだと思う方や
耳が痛い方がいると思います。
それでも最後まで読んでいただけたなら
お子さんがネット・ゲーム依存になるのを予防したり
ネット・ゲーム依存から脱出することの第一歩になるはずです。
もう一度,保護者として
ネットとの付き合い方について立ち止まってもらえれば幸いです。
質問・感想やご相談は以下のリンクまで
お気軽におよせ下さい。
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