こんにちは ツナカンです。
私はふだん
適応指導教室のカウンセラー(公認心理師)として
不登校のお子さんや
子育てに悩む保護者の方
学校の先生方
の相談支援をしています
以前,適応指導教室の利用の仕方について紹介しました。
【不登校】適応指導教室に通うための4つの手続き
お子さんが不登校になったとき
主な選択肢は適応指導教室かフリースクールになります。
【不登校】学校に行かない,行けないお子さんの居場所3選
しかし,地域によっては適応指導教室がなく
フリースクールしかない場所もあります。
お子さんが
フリースクールに行ってみようかな
せっかくそう思えたのに
どうやったらフリースクールに通わせられるのかわからない
なんて,まごついていたら
タイミングを失ってしまうかもしれません。
そんなときのために,今回は
フリースクールを利用するときの手続き
についてご紹介します。
この記事を読んでもらえれば
こんなことがわかります。
- フリースクールを使うための4つの手続き
- フリースクールを利用するにあたって考えてほしいこと3つ
- フリースクールで注意したい点
この記事を書くにあたって
フリースクールを20年近く運営し
昔からのお付き合いのある方に聞きました。
これを読んでいただければ
フリースクールに通うための手続きが
スムーズになるでしょう。
スムーズに事が進めば
お子さんのやる気も途切れずに済むはずです。
ただ,適応指導教室以上に手続きには差があるようですので
最終的にはフリースクールに直接お問い合わせください。
長文の記事になりますが
フリースクールを利用するにあたって
注意すべき点などもありますので
ぜひ最後までご覧ください。
フリースクールに通うための4つの手続き
フリースクールに通うための手続きは以下の通りです。
- フリースクールに問い合わせる
- フリースクールを見学・体験する
- 相談する
- 利用申請書を提出する
その①:フリースクールに問い合わせる
お子さんが,登校渋りや不登校になってしまったら
フリースクールに問い合わせてみましょう。
そこで,最初の相談のための日取りなどを約束します。
また適応指導教室の時と同じように
学校にフリースクールの通所を検討していることを
伝えておくとよいでしょう。
その②:フリースクールを見学・体験する
日程が決まったら
フリースクールを見学しましょう。
そしてお子さんに生活を体験してもらいます。
適応指導教室でもフリースクールでも
通い始めるとありがちなのが
子どもが通い始めたら学校に連絡忘れてた!
ということです。
学校としては適応指導教室でもフリースクールでも
お子さんの状況を知っておく必要があります。
お子さんがフリースクールに通い始めていることを
学校がわかっていれば,連絡の回数は減らせるかもしれませんので
試しはじめたことを学校にも伝えましょう。
見学してみて納得ができたら体験になります。
体験期間ですが,数日から数か月まであるとのことです。
時間をかけて慣れていきましょう。
その③:相談する
実際に体験通室をしてみて
お子さんも
フリースクールなら通えそう
と納得できたら正式に入室の手続きになります。
そのためにもう一度面接し,正式に利用の意志を伝えます。
その④:入会申し込みを提出する
利用の意志を固めたら入会申し込みを提出します。
提出先はフリースクールで,それをフリースクールから学校に連絡するようです。
ただし,適応指導教室程スピーディーにはならないこともあるようです。
フリースクールを利用するにあたって考えてほしいこと3つ
フリースクールを利用する際に
考えていただきたいことがあります。
おおむね適応指導教室と同じではありますが
フリースクール独自の事情もありますので
以下に説明します。
- お子さん自身はどうなりたいのか
- 学校に行かないことのメリット・デメリット
- お子さんにどうなってほしいのか
その①:お子さん自身はどうなりたいのか
フリースクールも適応指導教室と同様に
おおむね学校と比べ生活の枠組みは緩いです。
無理やり勉強をさせることもありませんし
来たいときに来て,帰りたいときに帰れることが多いはずです。
そんな環境の中で,お子さんはどうなりたいのでしょうか。
まずは居場所として利用するというのはあるでしょう。
しかし,適応指導教室と比べても長期間利用できる特徴がある分
その時間の中でどんな自分になりたいと思うのか
それを考えていく必要があると思います。
それは時間に任せていれば見つかるものではありません。
その②:学校に行かないことのメリット・デメリット
これも適応指導教室と同じです。
学校に行くことにデメリットがあるように
フリースクールにもデメリットはあるのです。
それは親御さんだけではなく,お子さんも最初に知っておくべきです。
フリースクールが民間による支援であることから
教育委員会や市など,行政との信頼関係の構築が課題になっています。
それがどんな問題になるの?
適応指導教室であれば
毎月活動報告を学校や教育委員会に報告します。
一方,フリースクールでは活動報告をしているところは
まだ少ないそうです。
こうした体制が整っていないことによって
学校の担任の先生は様子を把握しにくくなります。
同級生との関係を取り持ってもらうとか
お子さんが学校に興味を持ちはじめた時
必要な気配りが不十分になります。
それは同世代のお子さんとの関係が狭まることにもなるし
そのつながりを求めてネットに走ることだってあるかもしれません。
その③:お子さんにどうなってほしいのか
フリースクールなどを利用して
お子さんの居場所を確保することは
最初にするべきことの一つです。
それと同時に
お子さんに将来どうなってほしいのか
という,親側の希望もあってよいのです。
親御さんの希望もお子さんの希望も
出し合い,話し合って
それぞれの希望をすり合わせましょう。
フリースクールで注意したい点5つ
フリースクールを利用するにたあって
注意したい点があります。
それが以下の通り
- モラトリアムが長くなる
- 学校・教育委員会などとの連携
- フリースクールは潰れる
- 受け入れ年齢がフリースクールによって異なる
- 出席扱いにならないケースがある
その①:モラトリアムが長くなる
モラトリアムとは社会的猶予期間と呼ばれ
義務などが免除される期間のことです。
お子さんにとって学校は権利ですので
行かねばならない義務はないのですが
義務が猶予される一方で,張り合いも見失ってしまっては
元も子もありません。
モラトリアムが長いということは
長らく変わらないことが許される
という一つのリスクでしょう。
その②:学校・教育委員会などとの連携
これも先にもあげましたが,学校や教育委員会との連携が
どのくらいできるのかは
そのフリースクールにごとに変わります。
連絡・連携のルートを持っているのか
どのくらいの頻度で連絡をしているのか
こうしたことも知っておくべきです。
適応指導教室で勤務している立場からすると
毎月定期的な連絡をしているフリースクールの方が
学校との信頼関係ができていると思います。
その③:フリースクールは潰れる
別の記事でも書きましたが
フリースクールは赤字経営が多いというデータがあります。
フリースクールで行われている支援が素晴らしく
せっかく行けるようになっても
居場所が翌年にはなくなってしまうようでは
次の居場所を探す手間になりますし
気持ちの上でも落ち着くことができません。
一つの参考として経営主体が最低限NPOであること
できれば 認定NPO もしくは 社会福祉法人
などであると良いと思います。
その④:受け入れ年齢がフリースクールによって異なる
お子さんの受け入れ年齢はフリースクールによって異なります。
とりあえず義務教育期間までを受け入れることして
事情によって延長する場合もあるとのことですが
ほとんどのフリースクールで
適応指導教室のように義務教育課程で終了とはしていません。
中には30~40代の成人まで受け入れているところもあるそうです。
この年齢差によって,自分のお子さんがどのような影響を受けるか
ご家庭・お子さんのご希望に対してフリースクールが貢献できるか
そんなことを意識して利用するのが良いでしょう。
その⑤:出席扱いにならないケースがある
フリースクールに通えることになっても
それが要録上の出席にならないケースがあるようです。
それはフリースクールが,行政(教育委員会など)から
“学校の代わりになる”と認知されているか
連携が取れているかにかかっています。
その気になればフリースクールと称して
すぐにでも,誰でも慈善活動はできます。
ただ,行政に認められるかどうかは別問題です。
このようなことも利用の前に確認しておきましょう。
まとめ
以上,フリースクールに通うための手続きについて解説しました。
お子さんが通おうと思ったときに,スムーズな手続きで
通えれば安心感も高まるはずです。
フリースクールに通わせようと思ったら
ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。
質問・感想やご相談は以下のリンクまで
お気軽におよせ下さい。
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