【自分嫌い改善】自分実験をやってみた

心理学

こんにちは

公認心理師のツナカンです。

私は普段,心理師として

不登校のお子さんや

子育てに悩む親御さん

学校の先生方を応援しています。

 

皆さんは

良くないとわかっちゃいるけどやめられないことがある

 

しなきゃいけないことをいつも後回しにて後悔してしまう

 

自分に自信が持てない

 

そんな悩みをお持ちではないですか?

 

こういう問題は,特に長引く傾向があります。

 

そして,どんどん自分が不幸になって

 

自分が嫌い

そんな風に考えるようになるのです。

 

しかしほとんどタダで,自分で変えられるとしたら

挑戦する価値を感じませんか。

必要なのはちょっとした手間だけです。

 

この記事は

 

ずっと変えられないでいる問題を変えたい

 

自分を今よりも少しでも好きになりたい

そんな人の期待にお応えする記事です。

 

このままでいいや

と思う方には無駄な時間になりますが

ここまで読んでくださったということは

少なくとも,希望を持った証拠です。

 

そうであるならぜひ続きを読んでもらえたら

自分に自信を持つためのお役に立つでしょう。

 

そのコツは以下の通り

1.データ化すると“自分嫌いが変わる”
2.自分をデータ化すると他人に説明できる
3.自分自身で“できる”という結果が自信をもたらす

 

 

私は,もともとは

心の奥にあるとされるイメージをヒントに心理支援にあたる

いわゆる深層心理学のスタンスの心理職でした。

しかし,力不足なのもあって

こうした方法に行き詰まりを感じていました。

 

そこで,行動分析学 という心理学の別の流派を学び始めました。

最初の実験台は,もちろん自分です。

この方法を試したところ変化を起こすことができました。

 

この記事は,正直なところけっこう長いです。

しかし,最後まで読んだ時には

嫌いだった自分を変えるイメージを持つことができるでしょう。

 

そして,読んだ後に実際に行動に移せば

より確実に好きな自分に近づけるはずです。

 

 

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【自分嫌い改善】自分実験をやってみた

 

今回,自分嫌いを克服するために紹介するのは

自分を実験台にして自分の行動を変える

自分実験 です。

 

最初に,私自身の “自分実験” についてお示しします。

その後に,もっと詳細な方法を示しています。

 

① 目標:「血糖値を下げる」

目標として正しいのかどうかわかりませんが

「血糖値を下げる」

を目標にしました。

どうせ自分をどうにかするだけのことなので

まずはとにかく行動してみて

やって駄目なら改善するつもりで始めました。

介入前の血糖値「ヘモグロビンA1c」は以下の通り 5.9 です。

 

 

② ターゲット:食後のブドウを食べる数

当たり前のことながら

夕食後にデザートを食べると血糖値が上がります。

ブドウをひかえる程度で

どのくらい効果があるかはわかりません。

しかし,とにかく実験です。

 

 

③ ベースライン

私のブドウ食べ行動について

基準線となるベースラインをとりました。

結果はご覧の通りです。

全体の傾向を示す 傾向線 はエクセルで簡単に引けます。

これがあると,いちいち気持ちを振り回されないので

入れておきたい線です。

 

 

④ 分析

私のブドウ食べ行動が増える前後の分析です。

食後にブドウを食べることで多幸感や満腹感が高まるため

ついたくさん食べてしまうようです。

 

 

⑤ 介入

ビデオクリップ法で,具体的にどう改善行動していくのかを考えます。

ビデオクリップ法を試した結果

食後の多幸感と満腹感を満たすため

食べるブドウの数を減らすのではなく

代わりの行動に置き換えることにしました。

私の介入法は

“ブドウを一つ食べるごとに炭酸水を飲む”

ことにしました。

これで,お腹も膨れるし,ブドウを食べることもできます。

その結果はこのようになりました。

見事に食べるブドウの数を減らすことができました。

 

 

⑥ 再ベースライン

介入をやめた後の結果は以下の通りです。

食べるブドウの数は,介入期よりも増えてはいますが

介入前よりもだいぶ減っています。

 

 

そして,血液検査の結果

ヘモグロビンA1cの値が「2」だけ低下し 5.7 になっています。

 

 

 

 

自分実験のメリット

“自分実験”は,はっきりとしたメリットがあります。

 

血糖値(ヘモグロビンA1c)の値が下がったのは誤差じゃないの?

 

とか

 

他にもいろいろやってたんじゃないの?

と思われる方もいるかもしれません。

 

確かに,誤差かもしれませんし

食べるものをちょっと変えるだけでも

変わってしまいそうなものです。

 

しかし,数値の変化以上の効果が

自分の意識に芽生えたのです。

それが

  • 自分の行動は確実に変えられる
  • 見える化で自分の行動を変えることは楽しい

という実感を得たことでした。

 

私も自信が持てない時,親切な人に

大丈夫,自信を持って

と励まされたことがあります。

 

その時は,何となく乗り切れそうな気がするのですが

「でもやっぱり…」

という気持ちになり

また自信がなくなるという悪循環でした。

 

しかし,今回の “自分実験” では自分の努力が

実際に数字で見えるようになることで

自分自身で工夫することができることがわかるし

他の人にも説明ができます。

 

すると,なぜだか不思議と自信が

自分の中からじわじわとわいてくるのです。

他人に慰めてもらうことは良いことでもありますが

自分の足で立っているような,そんな感じがします。

 

それってデータって言えるほどのレベルなの?

と言われたら,もちろんまだまだ課題はあります。

 

しかし,今までだったら

正しいか間違えているかをばかり考えて

行動に移すことためらうことも少なくありませんでした。

 

自分の行動を数字にするなんて

なおのことしたことがありませんでした。

私にとっては行動を数値化するということに

踏み出したということ自体が大きな変化だったのです。

これは, 実際にやってみるほかない

としか言いようがないのが歯がゆいところですが

自分を変えたかったら簡単でもいいのでデータをとる

そうすることで,読者の方の自分嫌いも変わると信じています。

 

 

 

自分嫌いを確実に変える方法

 

これから自分嫌いを確実に変える

“自分実験” の方法をお伝えします。

しかし,最初に言っておきますが手間がかかります。

 

自分に手間をかけて,自分を好きになってあげるか

それとも,今のままの自分でいるか

もう一度ここで立ち止まって

読み進めるか考えてください。

 

今のままでいるのも,今の自分が好き

という気持ちの表れかもしれませんから

そういう方は読むだけ時間の無駄になります。

 

 

 

 

では,

自分に手間をかけてあげることにした

そう決めた方,一緒に進んでいきましょう。

 

 

ステップ①:解決したい問題や達成したい目標を決める

自分以外の他人や,環境が変われば改善されるような

自分事でないことではなく

自分の行動が変われば

解決する問題や達成できる目標を選びます。

 

 

 

ステップ②:ターゲットを決める

ターゲットとは

自分が変えたい行動

です。

 

ポイントは

やろうと思っているのにできない行動

やめたいと思っているのにやめられない行動

です。

 

例えば

筋トレを毎日しようと思ったけど続かない

とか

ストレスをお酒で解消してしまう

というような習慣がターゲットになります。

 

ちなみに 「酒を飲まないようになりたい」 のように

“死んだ人でもできること”はターゲットにはできません。

「~しないようになる」は実現しない のです。

死人ができることは変えられない

 

 

 

ステップ④:具体化する

また,具体的であることも必要です。

「楽しめるようにする」「充実するようにする」

では,何をすればそうなるかがわかりません。

どうしたらそういう気持ちになれるのかは

“ビデオクリップ法” という方法で

増やしたい行動が増えているところ

減らしたい行動を減らしているところを

細かく想像します。

例えば

お酒をやめたいなら,代わりに炭酸水を飲んでいるところとか

他人に八つ当たりをしてしまって

自己嫌悪してしまうなら,深呼吸をしているところ

などです。

 

自分以外の人でうまくやっている人をモデルに

あの人だったらどんな風にしているんだろう

と想像するのも良いでしょう。

変えたい行動がどうしたらうまくいくか想像する‐ビデオクリップ法

 

 

 

ステップ⑤:データをとる

毎日カウントできる行動を選びます。

カウントできる機会が少なすぎると

カウントすること自体を忘れてしまいます。

それから,あまり多くのことを盛り込まず

できるだけ小さなことから変えていくのがポイントです。

 

それから

「お酒を飲む量を減らす」というように

行動の証拠が残らないような目標の場合は

ビンに口をつける回数を数えるのではなく

実際に減ったお酒の分量のように

証拠として残るもののデータをとります。

そして自分が <いつ,どこで,何の> データをとるのかを決めます。

 

もしデータをとりはじめている最中に

今日はお酒の代わりに,ノンアルビールにしてみようかな

といった具合に 気が向いたなら,途中で行動を変えてもかまいません。

・小さなことから変える
・手順を簡単にする
・証拠として残るものをカウントする
・いつ、どこで、何を数えるのかをはっきりさせる
・データをとっている間に気が向いたら行動を変えてもいい

 

 

 

ステップ⑥:分析する

分析の段階では

自分が変えたい行動(ターゲット行動)が起きるまでの経過を

 

に分ける作業を行います。

 

なぜなら,行動が起きるには

  • 行動の前にやりたくなるきっかけがある
  • 行動した直後に,もっとやりたくなる何かがある

と考えているからです。

 

例えば,お酒を飲みたくなる時には

直前にイライラを感じているのかもしれないし

お酒を飲んだ後には気分が晴れやかになっている

のかもしれません。

 

行動のきっかけや,

行動の結果は一つではなく

いくつかのパターンがあるはずです。

それを考えてみます。

 

そして,ターゲットとなっている行動をした直後

メリットになっているなら「+」を

デメリットになっているなら「-」を

書き込みます。

改めて,私の例をお示しします。

 

この時注意したいのは

直後にメリットがあっても将来的はデメリットになることがある

ということです。

 

私のブドウ食べ行動も

食べた直後は多幸感がありますが

将来的には糖尿病のリスクが上がります。

「前 ⇒ ターゲット行動 ⇒ 直後」 の三段階に分ける
・短期的にメリットでも長期的にはデメリットになることがある

 

 

 

ステップ⑦介入方法を決める

変えたい行動のきっかけとなっていること(事前)

行動した結果,どうなっているか(事後)

を分析したら

変えたい行動の前にあるきっかけ(事前)か

変えたい行動の後にある結果(事後)を

変えます。

 

例えば,

 前: イライラ

行動: やけ食い

後: 満腹・満足感(短期) ⇒ 自己嫌悪(長期)

ということであれば

 

行動の前(事前)のイライラを減らすか

行動直後(事後)を,嫌な気持ちがするもの

に置き換える

 

もしくは,

行動の直後に介入前と同じように満足を得られる別の行動におきかえることで

やけ食いは減るでしょう。

行動の前と後の情報から介入方法を決める

 

 

 

ステップ⑧:介入する

先の分析をもとに実際に介入をします。

これまでと同じようにデータもとっていきます。

また,私の例を出しておきます。

 

介入してからのデータをとる

 

 

 

ステップ⑨:再ベースライン

介入をやめた後,どうなっているか

データをとり続けて観察します。

こうすることで,介入に効果があったのかどうかがわかります。

介入をやめて経過を観察する

 

 

 

ステップ⑩:介入の再検討

うまくいかなかった場合には

先の分析をもとに

ちがう介入方法を考え直します。

私の場合は,炭酸水を飲むがうまくいったため

それ以上の介入はしていません。

うまくいかない時には方法を変える

 

 

 

 

“自分実験”をする時に注意すべきポイント4つ

実際に,自分実験をしてみて

特に注意した方が良いと感じた点が以下の4つです。

  • 大きな結果を求めない
  • すぐに結果を求めない
  • 記録は簡単にとる
  • ターゲットを絞る

 

 

その①:大きな結果を求めない

自分嫌いを直すために大きな目標は必要ありません。

小さくても確実な結果を残す方が大切です。

大きすぎる目標に気づかないから失敗し

自分を嫌いになってしまうのです。

ですから,小さくても結果が残しやすいものにしましょう。

 

 

その②:すぐに結果を求めない

自分が嫌いになるまでの今日まで

きっとたくさんの努力をしてきたはずです。

しかし,それに失敗してきたのは

結果を求めるのが早すぎたからかもしれません。

また自分実験をしてみても

思うような結果がでないこともあるはずです。

しかし,方法を工夫して結果が出るまで続けること

それが自分実験の楽しみだと感じました。

 

 

その③:記録は簡単にとる

記録をとるまでの段取りは

できるだけ簡単な方が良いです。

ブドウの数をカウントするためだけに

PC→エクセルを起動し…

などとやっていては面倒すぎて

記録をとること自体が億劫になります。

付箋などで簡単にメモをしておき

後でまとめて打ち込むのが楽です。

 

その④:ターゲットを絞る

実際に自分実験をしてみると

ターゲットの大きさと

得られる自信は反比例していると感じました。

つまり,変えたい行動が具体的であれば

得られる自信は確実になる。

 

逆に,おおざっぱな目標だと

得られる自信は小さくなる気がします。

想像してもらえるとわかると思うのですが

30日間,若々しくいるように頑張る

というのと

若々しくいるために,30日間,毎日1キロ歩く

という目標を達成した場合では,

30日後,どちらが自信を得られそうでしょうか。

 

 

 

読むべき本

 

記事を読んでみたけどよくわかんない

という方のために

今回の自分実験の実施と記事の執筆のために

参考にした本を2冊ご紹介します。

 

「使える行動分析:じぶん実験のすすめ」

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「行動分析学入門‐ヒトの行動の思いがけない理由」

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どちらも文庫本で手に取りやすい大きさ・価格です。

また行動分析の入門書ですので

それほど難しくはありませんでした。

ぜひ手に取って読んでみてください。

 

“自分嫌い”は克服するまで付きまといますが

本を読んで行動に移すことで克服できるなら

これ以上に価値のあるものはないのではないでしょうか。

 

 

 

まとめ

今回は嫌いな自分を克服するための方法をご紹介しました。

やはり自分を好きになるためには手をかけることがコツです。

自分の行動は自分でコントロールできるのですから

自分を実験台にしつつ,行動を変えるために

具体的な挑戦をしてみてはいかがでしょうか。

 

 

質問やご意見は以下のリンクまで遠慮なくお寄せください。

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