登校刺激、成功・失敗10のこと

不登校支援

こんにちは

 

公認心理師のツナカンです。

 

ふだんは,不登校のお子さんや

 

子育てに悩む親ごさん

 

学校の先生の心の応援をしています。

 

 

子どもが

 

「面倒くさい」

 

「つまらない」

 

なんて言って

 

学校に行くのを

 

いやがっています。

 

学校に行くように

 

何回も言っているんですが

 

そうすると

 

言い合いになってしまいます。

 

 

学校に来られるように

 

まずは家に行って

 

話をするようにしています。

 

でも,学校に来るように

 

言っていいのかどうか

 

迷っています。

 

不登校や,登校しぶりの子に

 

学校に関係することを伝えたり

 

学校に行くように(来るように)

 

働きかけることを

 

登校刺激

 

と呼びます。

 

 

 

登校刺激はうまくできれば

 

薬にもなりますが

 

失敗すれば

 

猛毒になります。

使いどころがとてもむずかしいものです。

 

わたしもかなり慎重になっているつもりですが

 

それでも失敗することもあります。

 

今回は,わたしの失敗も含めて

 

成功する登校刺激・失敗する登校刺激のポイント

 

についてお伝えします。

 

 

 

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登校刺激、成功・失敗10のこと

ここでいう成功とは

 

登校刺激を与えられた子が

 

 

行ってみたら思っていたほど嫌じゃなかった。

 

 

 

行ってみて少しは良かった。

 

 

 

と思えて

 

そのあとも

 

一回以上は登校をしたこと

 

とします。

 

 

 

これからご紹介することが

 

全てのお子さんに通じるわけではないので

 

参考か,反面教師にする程度で

 

読んでみて下さい。

 

 

 

 

 

成功した登校刺激のポイント

成功した登校刺激のポイントは

 

以下のとおりです。

 

  • 子どもが今のままではいけないと思っている
  • 学校に行く意味が新しく付け加えられている
  • 今よりもちょっとだけ高いハードル
  • 将来の目標がある
  • イメージで学校に行く練習をする
  • 学校が受け入れる準備をしてくれている
  • 担任とよい関係ができている

 

あくまでも印象ですが

 

この条件のうちの2~3つ以上が整えば

 

一度くらいは学校に行くような

 

気がします。

 

 

 

①子どもが今のままではいけないと思っている

まずは,変わるモチベーションがあると

 

スムーズです。

 

色々な提案に

 

乗ってくれやすくなるからです。

 

ただ,あまりモチベーションにこだわると

 

「やる気がないからいけないんだ」

 

というような根性論になりがちですので

 

モチベーションがないのであれば

 

モチベーションをあげられるような

 

はたらきかけが必要です。

 

具体的には,少しでも前向きな動きがあれば

 

ポジティブに評価してあげることです。

 

しかし,必ずしも褒めればやる気が出る

 

というものでもありませんので

 

その点にはご注意下さい。

 

 

 

②学校に行く意味が新しく付け加えられている

子どもたちは漠然と

 

「学校はいかなければならないところ」

 

と思っています。

 

今では

 

不登校の子たちの生活の様子や主張が

 

YouTubeなどでも見られますし

 

そこには,

 

学校に行かない自由

 

が強く主張されていることもあります。

 

 

 

学校に行く意味がわからないから

 

そのような主張が生まれるのでしょう。

 

そうであれば,

 

子どもが納得がいくような理由があれば

 

少しずつに学校にも向き合えるようになるでしょう。

 

例えば

 

「~になるため」

 

というのもそうですし

 

「友だちに会うため」

 

とか

 

「今までできないと思っていたことが,本当かどうか確かめるため」

 

などです。

 

しかし,気を付けなければならないのは

 

大人の押しつけとか,論破では子どものやる気は出ない

 

というところです。

納得なのか,論破なのかは

 

子どもが実際に行動しようとするかどうかで

 

判断することができます。

 

 

 

③今よりもちょっとだけ高いハードル

いくら学校に行くつもりになったとしても

 

ハードルが高いと

 

次のステップに進むことはむずかしくなります。

 

そこでハードルはちょっとだけ高いくらいの方が

 

良いでしょう。

 

これも,大人側の押し付けになりがちです。

 

よくあるパターンとして

 

ほんの少し顔をだすくらいで帰るつもりだったのに

 

 

一つできたんだから,もう一つ行けるでしょう

 

という感じで,先生が引き止めてしまったり

 

有無を言わさずに,何かをやらせてしまったりするパターンです。

 

 

 

④将来の目標がある

将来の目標があるのは

 

かなりの強みになります。

 

色々な人と触れ合うことで

 

モデルが見つかることもあります。

 

ですから,学校に行かなくても

 

人と出会える機会を作ることをおススメします。

 

 

 

⑤イメージで学校に行く練習をする

子どもが学校にいくことを決めたとしても

 

不安は残っています。

 

覚悟だけではだめなのです。

 

ですから,一緒に登校し,クラスに入り

 

だれかと話してみる…

 

そんなイメージトレーニングを

 

やってみることをおススメします。

 

例え,現実とはちがったとしても

 

不安は和らぐでしょう。

 

 

 

⑥学校が受け入れる準備をしてくれている

学校に行けたとしても

 

ずっとクラスに居続けることは

 

辛いこともあります。

 

そういう時には

 

保健室や相談室など

 

教室から離れられる環境を

 

準備してもらえると良いでしょう。

学校によっては

 

別室登校をうけいれていないところもあります。

 

これについては,わたしは反対です。

 

家と,教室の間に

 

ステップがある方が

 

子どもにとっては学校に来られる可能性や

 

滞在時間が伸ばせる可能性が

 

高くなります。

 

 

 

 

⑦担任とよい関係ができている

担任の先生との関係は

 

登校できるかどうかを

 

大きく左右すると考えています。

 

つい,学校に来られるように

 

働きかけてしまいがちですが

 

学校に行けていない分,子どもは

 

先生のことがよくわかっていませんので

 

先生の素を知ると信頼を寄せてくれることがあります。

 

 

 

 

失敗した登校刺激

失敗した登校刺激は以下のとおりです

  • 「学校いかないと…になっちゃうよ」
  • 適応指導教室の来所が不安定
  • 将来ビジョンと現実がかけ離れている
  • 計画的でない
  • 子どもの状態がよくわかっていない

 

 

 

①「学校いかないと…になっちゃうよ」

「このまま学校に行かなかったらどうしよう…」

 

そういう心配から

 

つい,悪い将来をイメージしてしまいます。

 

それ自体は,自然なことです。

 

しかし,それをそのまま伝えてしまうと

 

子どもにはネガティブな気持ちを起こさせるだけです。

 

例えば

 

「今より~できたら,もっといいことがある」

 

と伝える方が前向きになれるでしょう。

 

 

 

②適応指導教室の来所が不安定

適応指導教室は

 

家と学校の間のステップだとも言えます。

 

ですので,きちんとステップが踏めるまでは

 

次のステップに行くのはむずかしい。

 

まずは適応指導教室にフルタイムで来られるようになるまで

 

急がない方が良いでしょう。

 

しかし,その前に登校刺激をしてしまうことで

 

学校どころか,適応指導教室から

 

足が遠のいてしまうこともあります。

 

これには,わたしも反省することが

 

たくさんあります。

 

 

 

③将来ビジョンと現実がかけ離れている

子どもは,現実とはかけはなれた

 

希望を話すことがあります。

 

将来つきたい仕事や

 

進学先などです。

 

これが挫折感を味わわせることになります。

 

また,それを理由に

 

学校に行く必要がないと主張することもあります。

 

学校に行くことから回避するためです。

 

しかし,それを

 

「現実離れしてるよ」

 

と伝えても,信頼してもらえません。

 

例え現実から離れているとしても

 

目標を持っていることは

 

とても大事なことです。

 

現実と理想のあいだに

 

どんな壁があり

 

その壁を越えるために

 

学校に,どの程度登校する必要があるのか

 

話し合う機会にできると良いでしょう。

 

 

 

④計画的でない

将来の目標を達成するためには

 

計画を立てれば実現する確率が上がります。

 

しかし,その計画がないまま

 

やみくもに突き進んでも

 

失敗が増えてしまいます。

 

目標が決まったら計画を立てるようにします。

 

その時に,計画のステップが高すぎる場合があります。

 

うまくできない時にはステップを修正して

 

確実にステップアップできるようにします。

それでも適応指導教室に通える期間は限られていますし

 

卒業までに,思うような結果に

 

届かないこともあります。

 

 

 

⑤子どもの状態がよくわかっていない

子どもの状態をきちんと理解するためには

 

いろいろな情報を集めて

 

判断し,応援していく必要があります。

 

例えば

 

ADHDのように見えた子が

 

単に片付ける方法を知らなかったとか

 

好き嫌いをしている子が

 

実は決まった食べ物しか食べたことがない

 

そんなこともあるのです。

 

情報をきちんと集めておかないことで

 

いろいろな誤解を生じさせてしまい

 

大きすぎる提案や

 

逆に小さすぎて

 

あまり変化のない提案を

 

することになってしまいます。

 

 

 

 

失敗した登校刺激

 

わたしはもう,適応指導教室には

 

行かないことにしました。

 

 

 

あそこにいくと

 

先生が来て,

 

「学校に来たら?」

 

って言われたり

 

適応指導教室の先生にも

 

「学校に行ったら?」

 

と言われるから。

 

 

 

最初は居心地悪くなかったけど

 

慣れてきたと思ったら

 

そんな風に言われるので

 

わたしの気持ちはわかってもらえないんだなって。

 

 

 

どうしてそんなに学校に行かせたいのかもわからないし

 

学校に行く意味もわかんない。

 

だから,わたしは学校に行くのも

 

適応指導教室に行くのもやめます!

 

 

・・・・・・・・

 

こんな風に

 

ならないためにも

 

登校刺激は慎重になりたいところです。

 

わたしもまだまだ課題がありますので

 

反省しなければなりません。

 

 

 

まとめ

 

今回は

 

成功する登校刺激・失敗する登校刺激のポイント

 

について解説しました。

 

適切な登校刺激は

 

子どもたちの背中を押しますし

 

適切でない登校刺激は

 

子どもたちを追い込むことになります。

 

慎重に使うべき劇薬であることを

 

覚えておきたいところです。

 

 

 

 

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