『親は気づけない』起立性調節障害の裏にあること

不登校支援

こんにちは ツナカンです。

心理師として

不登校のお子さんや

子育てに悩む親ごさん

学校の先生の応援をしています。

 

不登校のお子さんの中には

起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation:以下OD)

と診断されるお子さんが

けっこう多いものです。

 

あくまでも主観ですが

学校をしぶる理由がはっきりとわからないけど

学校に行くときはものすごく辛そう…

 

そんな時に病院に行くと

お医者さんにつけてもらえる

そんなイメージがあります。

仮病だというつもりは毛頭ないですし

お子さんご本人からすれば

本当に朝が辛いはずなんです。

 

この診断名があれば

学校からも同級生からも

家族や親せきからも

学校にいけないことを説明しやすくなります。

わたしはこれまでに

ODと診断されたのに

いつの間にか改善してしまったようなケースも知っています。

 

そこには「起立性調節障害」という名前によって

かえって見えなくなっている問題もあったのです。

今回は

ODの診断の前(後)に保護者がチェックするべきこと

についてお伝えします。

 

 

子どもにODの診断がついたけど

 

どう改善すればいいかわからない…。

 

ODの診断がついたけどサボりなのか疑わしい

 

 

うちの子はODなんじゃないかなぁ…

こんなことでお悩みの方のお役に立つでしょう。

 

 

 

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『親は気づけない』起立性調節障害の裏にあること

起立性調節障害(OD)になった子どもを見ると

毎日調子が悪そうで、なんだか気の毒になります。

するとはれ物に触るようになりますよね。

でも実はこんなことを見落としているかもしれません。

 

  • 睡眠時間の問題
  • 食事がきちんととれていない
  • 勉強が遅れている
  • 友だちとのトラブルがくすぶっている

 

一つずつ解説していきます。

またチェックしたいことをご紹介します。

 

睡眠時間の問題

最近のお子さんの寝る時間が遅れる理由の多くが

ゲーム

です。

 

最近のゲームはチャットや通話をしながら

ワイワイやっていることが多いものです。

ゲーム自体はとても楽しいのですが

習いごとをしている子もいますから

そうでない子も、その子に合わせて

遅くまで起きて待っていることになります。

 

子どもたちは、どのタイミングでゲームで合流するか

学校で相談し、遅い時間に始まって遅い時間に終わることになります。

 

ゲームは興奮作用が強いものですから

寝つきも悪くなります。

そしてようやくゲームが終わったとしても

そのまま自室にゲーム端末があれば

ズルズルとYouTubeを見ながら寝落ち…

 

すると睡眠の質も悪くなりますし

なにより睡眠時間が短くなっていきます。

 

 

それから注意したいのは

カフェインです。

子どもはカフェインには比較的敏感に反応すると言われています。

 

エナジードリンクやコーヒーなど

手軽にカフェインが届くような生活をしていれば

寝つきも遅くなります。

 

ネット利用のルールは決めていますか?
ネットのルールは親子で守れていますか?
子どもに自室で好きなようにネットを使わせていませんか?
カフェインを好きなように飲ませていませんか?

 

 

食事がきちんととれていない

ODの特徴として、朝の食事がとれないことがあげられます。

しかしニワトリが先か、タマゴが先か…

朝食を食べないことで元気が出なくなります。

 

うちの子はしっかり食べています

 

と思いがちなのですが

朝食の量はどれくらいとれているでしょうか。

 

先の睡眠時間の問題とからみますが

遅く起きてきたら食欲はわかないものです。

 

ためしに早く寝て、早く起きる。

これをくりかえしてみて、朝の食欲がどう変化するか

経過を観察してみることも良いでしょう。

もちろんそれ以外の要因で

朝食が少なめになってしまうこともありますが

それは生活リズムの改善を試してみてから考えましょう。

 

 朝食の量は十分ですか?
朝食のバランスはどうですか?
朝食を十分に食べられるだけの時間に起きていますか?

 

 

勉強が遅れている

学校ですごす時間の多くは勉強ですから

わからないことばかりなら学校に行くのは辛くなります。

その辛さが体に出ることもないとは言えないですし

面倒くささが脱力した態度に現れることもあります。

 

ですからODの裏には勉強のわからなさ

が潜んでいることもありえるのです。

 

夜になると宿題をせずに

ゲームばかりしているような習慣があると

このミゾは埋まりません。

ですから、勉強に遅れがあるなら

それを叱ることなしに

できるようにしてあげる必要があります。

勉強についていけていますか?
家で勉強はしていますか?
ゲームやネットの時間が多く宿題をしない日は増えていませんか?

 

 

友だちとのトラブルがくすぶっている

 

先にあげたように、ゲームを通して

友だちとつながれるようになる時代になりました。

 

うまくつながれれば楽しいものですが

悪くつながると、家にまでしがらみがつきまとうことになります。

一緒に家にいるとしても、トラブルにまきこまれる機会も増えたのです。

あまり気乗りしていなくてもゲームをしたり

大人が知らないところで、子ども同士のトラブルが起きていたりします。

 

もう学校から帰ってきているから大丈夫だろう…

 

大人は、こんな風につい思ってしまうものですが

実際にはそうではないのです。

 

子どもがネットで何をしているのか知っていますか?
子ども同士の会話を聞いていますか?
子どもが困ったときに相談できる関係を作っていますか?

 

 

 

そもそも起立性調節障害とは

 

起立性調節障害をざっくりと説明すると

こんな症状・特徴があります。

 

  • 思春期に起こりやすい…中高生の10%程度
  • 必ず回復する
  • 罹患期間,症状の重さ,多彩さ,にばらつきが大きい
  • 自律神経機能異常…立ち眩み、めまい、嘔吐、食欲不振、全身倦怠感

 

 

診断

起立試験を行い以下のチェックを行います。

  • 血圧回復
  • 脈拍の異常な増加
  • 起立継続による血圧の低下

なお症状の程度と起立試験での重症度が関係しなかったり

起立試験で異常をきたさないこともあります。

 

治療

治療法としては

  • 生活指導
  • 薬物療法(ミドドリン塩酸塩など)で末梢血管の収縮を促す

という方法がとられます。

やはり生活指導は重要ですね。

  • 三食とる
  • 適度な運動
  • 十分な睡眠

この“当たり前”の生活リズムを作ることが大切です。

一方で、

 

この当たり前ができないのが

 

起立性調節障害なんですよ!

 

 

と言われます。

ですから現実的には

  • 起きられた時点で活動する
  • 義務よりも居場所を用意する
  • 日中の活動量を増やし夜は減らすようにする(ネット含む)

こんなことから始めると良いでしょう。

 

 

 

参考文献はこちら

 

こころの科学2023年9月号 通巻 231号 からだの不調と暮らしのケア
こころの科学2023年9月号 通巻 231号 からだの不調と暮らしのケア

 

まとめ

今回は起立性調節障害の陰にかくれがちな

いくつかの問題についてご紹介しました。

 

  • 睡眠時間の問題
  • 食事がきちんととれていない
  • 勉強が遅れている
  • 友だちとのトラブルがくすぶっている

起立性調節障害からなかなか回復できない

起立性調節障害が本当かどうかあやしい

そんな気もちになったら
こんな事柄をチェックしてみてはいかがでしょうか。

これらの問題の一つずつが
対処するのにはそれなりに苦労があるかもしれませんが
乗り越えたときにはきっとまた
お子さんの明るい笑顔が増えてくるはずです。

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