こんにちは ツナカン です。
公認心理師として
不登校のお子さんや
子育てに悩む親御さん
学校の先生方
の応援をしています。
今回は,学校に行けない不登校のお子さんを受け入れる場所である
「適応指導教室」についてご紹介します。
この記事はこんな方にオススメです
子どもが不登校になりそう
子どもが不登校になってしまった
学校に行きたくない
学校に行けない
今学校に行けていたとしても
知っておいて損はないはずです。
不登校の子どもの支援機関「適応指導教室」はこんなところ
適応指導教室とは,民間ではなく公的なフリースクールです。
まずどんな雰囲気のところか,
わたしが実際に支援していることや,
他の適応指導教室の職員から聞いたことなどをお知らせします。
生活はゆるい
学校に比べると生活はゆるいです。
多くの適応指導教室で服装は華美なものでなければ自由。
もちろん,制服を着てきても大丈夫だと思います。
たいていは9:00台から15:00位までで終わりになります。
これは学校に登下校できる他の生徒さんとの
バッティングを避けるためだと言われています。
また多くは週に4日程度の開所となっています。
一日くらいは学校との接点を持って欲しいというのが
適応指導教室の共通の考え方になっているようです。
きめられた曜日,時間帯であれば
自由に通室できるようになっていることが多いようです。
なお,日課やルールは適応指導教室によってちがいがあります。
行事がある
月に1~3程度の行事があるようです。
ちなみに私の適応指導教室では1つが基本です。
行事の内容は,その適応指導教室の事情に左右されます。
自分で勉強内容や量を選ぶ
スタッフと相談しながら,
教科や量を選べることが多いようです。
本人が言い出さないかぎりは
勉強をさせないというところもあります。
生徒は少ない
不登校は小学校高学年から中学校で増加することから
中学生がメインになります。
しかしもちろん小学生も受け入れています。
不登校の生徒は,
中学生では全体のおよそ3%,
小学生で約0.6%に過ぎませんから,
当然少人数になります。
しかし,シーズンのようなものがあって
GWや夏休み明けに増える傾向があります。
職員はこんな人たち
もちろんスタッフは日本人のはずです(笑)
文部科学省の調査によると
・退職教員が約43%
・教育職系職員が23%
・心理系職員が12%
となっており,
残りは福祉や行政関係となります。
ちなみに私は,生粋の心理職としての採用です。
同じスタッフでも,
心理系のバックボーンと
教育系のバックボーンを持つ人がいます。
肩書きだけでは
その人がどんな関わり方をするのかは
わかりにくいと思います。
どうやったら適応指導教室に通えるのか
まずは学校に相談しましょう。
自治体によっては
学校が適応指導教室をわかっていない場合があります。
その場合は教育委員会に問い合わせてみると良いでしょう。
なお、手続きは市町村によって違う場合もありますので,
学校か,教育委員会に問い合わせると良いです。
設置について
約63%の自治体で設置していますが,
設置主体の教育委員会が「適応指導教室」として申告していないで,
不登校の子どもの支援を設置しているケースもあります。
そのため、実際にはそれ以上の数があるのではないか
とも言われています(樋口 2016)
適応指導教室がない自治体もありますので,
居場所のない子どもたちが
家庭にいざるをえない状況もありえます。
利用料はその市・町民であれば
行事等の諸費用以外は無料でしょう。
通室することのメリット・デメリット
ここまでで読んでもらえると居心地が良さそうですが
もちろんメリットも,デメリットもあります。
・子どもが自分のペースで勉強できる。
・面倒な人間関係から離れられる。
・自分のペースで生活できる
・学校に行かなくても出席日数になることが多い
このメリットはそのままひっくり返せばデメリットになります。
・気分次第になってしまうので勉強が遅れやすくなる。
・同年代の子との接点が減るので学校が余計に面倒になる。
・家庭でしっかり生活リズムを作れなければどんどん乱れる。
・給食がないので毎日弁当を用意する。
つまり,ある程度向上心がある子にとっては物足りない場になります。
通室するのであれば考えて欲しいこと
・子ども自身が自分の将来について考えること
・プランを立てること(口約束ではだめ)
・生活のリズムを家庭でしっかり作ること(ゲーム・ネットなどのルール)
学校に行けば良いわけではない
文部科学省は
不登校児童生徒への支援は,「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく,児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて,社会的に自立することを目指す必要がある
として,
学校に行くことだけを考えないで
子どもの成長のために必要な支援を
幅広くおこなうように方針をだしています。
これを極端に考えて 「学校に行かなくても良い」
と思ってしまうと,これもデメリットがあります。
学校は教育だけではなく,
給食や衛生管理などさまざまなオプションが充実しています。
残念ながら適応指導教室にはこうしたオプションはほぼありません。
また学習についても学校のような指導はできません。
同級生や先輩・後輩との関係は
リスクもありますが成長経験にもなります。
例外的に学力がグンと上がる子もいますが,
それはその子自身が,自分から勉強をしているのが一番大きな理由です。
この学校が持っている機能を どの程度使うのか というのは
通室するようになってからも考えていきたいところです。
まとめ
今回は私が生業にしている適応指導教室について書きました。
もし学校に居場所のなさを感じているのであれば
利用を考えてみてはどうでしょうか。
この記事を読んでくれたお子さんには
「叩けば開く扉がある。あきらめるのは早い」
と伝えたいです。
参考・引用文献
文部科学省(2019) 不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)
文部科学省(2019) 「教育支援センター(適応指導教室)に関する実態調査」結果
樋口くみ子(2016) 教育支援センター(適応指導教室)の「整備」政策をめぐる課題と展望,<教育と社会>研究,26.
英語が大嫌いな中学生への学習支援法
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