こんにちは ツナカンです。
ふだんは公認心理師として
不登校のお子さんや
子育てに悩む親ごさん
学校の先生を応援しています。
うちの子、カウンセリングをうけているのにぜんぜん良くなりません
とか
スクールカウンセラーと面接してもらっているのですが
お子さんの様子に変化がありません
そんなこと、実はめずらしくありません。
それには理由があります。
カウンセリングのときだけ変わっているから
なんです。
つまり、せっかくカウンセリングの中で良い変化があっても
クラスや家に戻ると、問題がおきるしくみが残っているのですから
まわりの大人からすれば変化は感じられないはずです。
今回は、そんな問題に切りこむことができる
一つの方法をご紹介します。
なんとなくわかれば十分です。
なにをすればよいのかがわかるように
できるだけかみくだいて説明していきます。
「カウンセリングがきかない!」そんなとき話し合う方法
子どもが不登校になる要因はさまざまです。
- いじめ
- 学業不振
- 学校がつまらない
学業不振はともかくとして
学校がつまらないと思う理由には
クラスのなかで特定の子ばかりが楽しそうで
不登校になってしまった子はさえない日々を過ごしていたのかもしれません。
また、いじめでは加害も被害もはっきりしないことがあります。
はっきりとした悪意からいじめになることは意外に少なく
意見の食いちがいなどから
仲間外れや、だらだらとしたケンカになってしまうこともあります。
また、子どもが不登校になると
- 親と子の間
- 夫婦の間
- 家庭と学校の間
で責任さがしをするようになることがしばしばあります。
わたしが応援してきた方の多くで
こうした 責任の迷路 におちいっていました。
今回ご紹介するのは、そんな方々に紹介したい方法です。
それは
みんなを大切に、それそれが大切に思うことをまとめあげて良い変化を作り出す
方法です。
困ったことが起きたとき
本当はそれぞれが、良かれと思ってやっているはず…
でもそれがすれちがいになったときに
糸はこじれて、善意が悪意へと変わってしまうのです。
みんな、自分が大切にしているのは?
糸がこじれるわけは
それぞれの価値観を共有していないからかもしれません。
それぞれが良かれと思うことをしていたとしても
目標や価値観が共有できないと
いつの間にか全くちがう方向をむいてしまったり
だれか一人の良いと思うことを強制しようとするからです。
つまり価値観のおしつけです。
多くのケースで、子どもが不登校になってしまったときに
親は
学校に行ってほしい
先生は
ムリに来させなくてもいいですよ
子どもは
むりやり行かせようとしないで!
と反発したり…
そういうことは良くあることです。
こうした現象の中に価値観を共有することが抜けてしまっているのです。
ですから
- 学校に行けなくなってしまった子
- 学校に行ってほしい親
- 登校を応援したい先生
こうした人たちが何を大切にしたいか
を、いっしょに考え話をすりあわせて
計画をくんでいくことが大切になってくるのです。
みんなで話し合う方法
話し合いをするために
こんな紙を用意すると良いでしょう。
これをどう使うのか例をつかって解説していきます。
右上の欄には「~をするために大切にしたいこと」を書きます。
ここは目標ではなく主義とかポリシーとか理想などを書きます。
左上の欄には「大切なことをするために、ジャマになる考えや感情」
ここは自分の頭の中や心にうかぶことを書きます。
右下には「大切にしたいことを実現するためのアクション」を書きます。
ここには、かなえたい夢(到達点)を書きます。
左下には「大切なことをするために邪魔になる考えや感情につかまってしまった時の自分」
について書きます。
もう一人の自分がいるとして、そこからどんな風に自分が見えるのかを書きます。
そして最後に、真ん中の下の欄に「みんなで、それぞれやると決めたこと」を書きます。
ここでは、明日から(今からでも)できることを書きます。
先ほど右下に書いたものをそれぞれが実現していくことが最終目標になります。
でも、右下に書いたものの全てを一度に実現することはむずかしいので
右下の中からどれかを選んで実現に向けて動き出します。
いつ・誰が・どこでやるのか
まで決められると、より実行しやすくなるでしょう。
わかりやすいように、画像ではそれぞれのマスにわけてありますが
全てのマスを埋めて完成になります。
話し合う上で知っておくと良いこと
話し合いをする上で
知っておくと良いポイントがいくつかあります。
- 人は目先のメリットにとびつきやすい
- 人は自分が大切にしているものよりも、公平であることを選びやすい
- 人は不公平を感じると他人に貢献しなくなる
- 今この瞬間にどう感じているか、をたしかめること
- 本音を出しても安心できるしくみを作ること
これらの前提をしらなくても
話し合いをすること自体はできます。
しかしファシリテートする人がこれを知っていると
今までとはちがう行動を、みんなに促すことができるようになります。
まとめ
今回はカウンセリングに通っても
良くならないときの話し合いの方法
についてご紹介しました。
この方法は学級経営にも、部活のチームワークを作るのにも使えます。
この方法の根っこにある理論は
別の記事で紹介しますので
興味がわいた方はぜひ読んでみて下さい。
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