こんにちは ツナカンです。
私はふだん公認心理師として仕事をしています。
またマインドフルネスを支援や実生活に活かしています。
マインドフルネスといえば瞑想が有名です。
マインドフルネス瞑想に興味を持ち
せっかくやり始めてみても
瞑想している感じがよくわかりません
という悩みが聞かれます。
そこで今回はマインドフルネス瞑想のコツ
についてお伝えします。
2.マインドフルネス瞑想で養えるもの
3.マインドフルネス瞑想にありがちなカンチガイ
4.マインドフルネス瞑想に関する注意点への対処法
以前書いた記事に続いて
私が日本マインドフルネス学会で受けた
ネット研修会の内容を参考にしています。
日本マインドフルネス学会では
マインドフルネスをデータに基づいて
科学的に研究している学会ですので
そこで得られる情報はかなり信頼性の高いものです。
よければ過去の記事もご覧ください。
【体験あり】マインドフルネスが役に立つ理由
マインドフルネス瞑想のコツ4つ
マインドフルネス瞑想をするうえで
押さえておきたい点は以下の通りです。
これらが理解できれば,
だんだん瞑想がわかるようになるはずです。
- 凛とした姿勢
- 思いやりと好奇心
- 意図すること
- 思いやりの気持ち
これらについて少し説明を加えます。
その①:凛とした姿勢
姿勢と気分は密接に関係しています。
自信のない人の姿勢を見ると
背中が曲がっていることが多いです。
自信のある人は胸を開いています。
逆に過剰に自信がある人は顎が上に上がり気味です。
こんな風に,姿勢と気分は密接に関係しているのです。
じゃあ瞑想はどんな姿勢がいいの?
それはこんな感じです。
- 骨盤を立てる
- 立った骨盤の上に背骨を一つずつ乗せていく
- 軽くアゴを引く
- 胸を軽く開く
こんな風にすることで
自然と肺に空気が出入りしやすくなります。
この姿勢をとるだけでも気分は変わるはずです。
その② 思いやりと好奇心
瞑想をしはじめた頃には
雑念を浮かべてはいけない,無心にならなければ!
などとよく考えてしまいがちです。
しかし,人は考えないようにすればするほど
考えが浮かんでしまうことがわかっています。
すると,雑念が浮かぶたびに
これではいけない!うまくできない!
という負のスパイラルに入ってしまうのです。
雑念にとらわれちゃいけないし
でも囚われないことができないなんて
じゃあどうすればいいの?
そんな方への解決方法は
浮かんでしまった考えに対して
そっと
「わかったよ,ありがとう」
と一言伝えて,また呼吸に戻るのです。
この思考に対するスタンスが思いやりなのです。
この思いやりが注意のコントロールに有効なのです。
そして,浮かんできた思考がどんなふうに変化していくのか
好奇心を持って観察するのです。
これは自分が何かをしたいと思ったときに
横から口を出す人や,余計な一言を言う人がいる
そんなことはよく経験すると思います。
そんなときの対処法と似ています。
その③ 意図すること
意図するとは
「~してみよう」と思うこと
です。
瞑想で控えておきたいのは
意図せずに注意を引き付けられてしまうこと
です。
心は水に浮かぶ葉っぱのように
思考や感情の流れによってふわふわと流されてしまいます。
ですので,まずは意図して注意を向け続けるのです。
基本的には意図して呼吸に注意を向けるのですが
音や匂いに向けることもあります。
その④ 思いやりの気持ち
先にも思いやりと好奇心のことを書きましたが
瞑想の時ばかりではありません。
日常の中で自分や他人に対して思いやりの心を持って
いることが新しい変化を促進するのです。
瞑想は日常の中でこそ活かされて意味があるものです。
実際,日常の中で思いやりを持って人と接することの方が
むずかしいはずです。
私ももっと思いやりが必要だと思う場面で
それができないこともあります。
そんな時,実生活で思いやりを活かすことの難しさを痛感し
反省しますが,瞑想をしていなければ
そんな気付きすらなかったかもしれません。
マインドフルネス瞑想で養えるもの
マインドフルネス瞑想をするとこんな力が養えます。
- ”することモード“の活動をおさえる
- 流されるのではなく自覚的に行動できる
その① ”することモード“の活動を抑える
人は一日に何回も,絶えず自分の体の内外のことを
良い or 悪い
使える or 使えない
できる or できない
気持ちいい or 気持ち悪い
などを判断しています。
この判断をしているだけでも脳は疲労していきます。
この,自動的な判断を “自動思考” と呼びます。
車を運転しているうちにいつの間にか目的地に着いていた
というのが典型的な例です。
この自動思考はとても便利なものではありますが
過剰になると緊張感が増して疲れ切ってしまい
気力を失ってしまいます。
仕事や学業に必要な判断であればまだしも
自分自身の容姿 や 他人からの評価
そんなものを自動思考するようになると
毎日が辛くなってしまうのです。
ですから,マインドフルネス瞑想を日課にすることで
こうした無駄なエネルギーの浪費を抑えることは
日常生活をよりよくできる可能性を高めるのです。
その② 流されるのではなく自覚的に行動できる
マインドフルネス瞑想で自分の感情や思考に対して
”気づく“力がついてくると,それと距離をとれるようになります。
感情や思考と距離をとる!?
そんな風にピンとこない人がいても不思議ではありません。
嫌な人や物からは当たり前のように距離をとりますが
自分の感情や思考と距離を取ることは当たり前ではないのです。
人と会話するときに自分の話ばかりして
ふと気づいたら相手がしらけていた
そんな経験はありませんか。
これが,自分の話の中の世界に埋もれてしまっている状態なのです。
そんな時に,この “ふと気づく” が大切です。
瞑想をしているとこんな風に失敗する前に気づけるようになります。
“ふと気づける”と考えや感情にブレーキをかけ
ちょっと距離を置いて考えられるようになります。
そして,話を聞いてくれている相手の様子にも早く気づけます。
イメージとしては身体感覚を “拒否せず手に持ったまま” 行動する
そんな感じです。
おススメしたいワーク
今から3分ほど頭の中に思い浮かぶことや体の感覚に対して
「私は~という感情を持っている」
「私は~という考えを持っている」
「私は…に~な感じがある」
こんな風に思考を「」の中に入れて過ごしてみてください。
きっと距離を置く体験ができるはずです。
マインドフルネス瞑想にありがちなカンチガイ
これまでにも 瞑想は心を無にすることではない と書いてきましたが
他にも注意したい,瞑想に対するカンチガイがあります。
それが
気そらし
です。
瞑想中に何らかの考えが浮かんだ時
“考えてはいけない”
と思うばかりに
ちがうことをしよう
ちがうことを考えよう
そんな風にしてしまいがちです。
これでは,良いとか悪いとかの判断であり
“することモード” になってしまいます。
気そらし と マインドフルネス のちがいは
- 好奇心を持って注意を集中すると気分が変わる
- 自分の楽しみによって気分を変えることを目指さない(ニュートラルな注意)
- 不快さや嫌悪感をなくすことを目的としていない
- 不快さや嫌悪感をもったまま何が起きているのかに注目する
です。
まとめると
自分自身のあらゆる経験に好奇心を持って向き合うこと
ということになるでしょう。
ストレスを感じると気分転換に
飲酒や買い物やギャンブル等をする人は多いでしょう。
これ自体は過剰にならなければ悪いものではないのですが
“ストレスはあってはならないもの” という意識にもとづいて
解決しようとするかから起きる行動です。
つまり “することモード” なのです。
“することモード” の悪循環がストレスを生むのですから
結局のところ,こうした方法ではストレス解消にはつながりにくいのです。
ですから,マインドフルネスは効果的なのです。
マインドフルネス瞑想に関する注意点への対処法
別の記事で,心身の調子がすぐれない時は無理をしないことなどを書いています。
【体験あり】マインドフルネスが役に立つ理由
この記事では,それとは別にもっと軽いレベルでの対処法をお伝えします。
瞑想が難しいときにはこんなイメージを持つと良いかもしれません。
観光地では滝見ができることがあります。
その滝の後ろ側に回ります。
滝の後ろから落ちてくる水を眺めるつもりで感情や思考を眺めます。
感情や考えに流されそうになるかもしれませんが
呼吸に注意を向けて続けます。
まとめ
ここまでマインドフルネス瞑想の4つのコツについてご紹介しました。
- 姿勢を整えること
- 選択的に注意を向けて“することモード”から“あることモード”に
- 気そらしから,マインドフルネスへ
- イメージを使ってみる
この記事を読んでマインドフルネス瞑想に興味がわいたら
ぜひチャレンジしてみてください。
マインドフルネス瞑想をうまく使って
日常をよりよくしていきましょう。
参考
・令和2年度 3月日本マインドフルネス学会研修会「マインドフルネスの基礎」越川房子(早稲田大学)
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