こんにちは ツナカン です。
公認心理師として
不登校のお子さんや
子育てに悩む親御さん
学校の先生方
の応援をしています。
昔に比べるとだいぶ変わってきたのが
学校における性のあり方
です。
広い意味での性のあり方のことをセクシャリティと呼びます。
近年ではまだまだ偏見はあるものの
男・女だけではなく多様にとらえられるようになってきました。
私はそれほど詳しくはないのですが
セクシャリティの課題は
不登校を引き起こすこともありますので無視できません。
私が知っている知識の整理もかねて
読者の方と共有したいと思います
今回は
セクシャリティ(性のあり方)
について解説します。
この記事はこんな方にオススメです
子どもが制服を着たがらない
子どもが異性の服を着たがる
子どもが体の違和感をうったえる
この記事を読んでいただくことで
性同一障害や性的マイノリティのざっくりとした理解ができます。
不登校の原因にもなるセクシャリティの課題
小学生の頃から異性の服を着たがる
中学生くらいになると制服を着るのが嫌
体育の授業を嫌がる
こうしたことから不登校になってしまう
セクシャリティを巡ってそんな事例があります。
このような不登校は,お子さんの問題ではなく
お子さんの特性と学校の制度が一致しないことによって起きます。
しかし,お子さんが抱える”問題“として見られてしまいがちです。
適切な環境を用意し
人の多様性を認められるような学校になれば
こうしたことは防げるのです。
セクシャリティとは
- 生物学的性
- 性自認
- 社会的性役割
- 性的志向
の4つの構成要素であるとされています。
カルデローンは
①セックスは脚と脚の間にあり(生物学的性)
②セクシャリティは耳と耳の間(脳の性)
と述べています。
以下に4つの構成要素について解説します。
生物学的性
生物学的性とはいわゆる体の性です。
性器によって判断される性のことです。
昔であれば,これをもって男らしさ,女らしさ を言われたものです。
成長期になると,月経や精通などが起こります。
学校の性教育では成長期よりも前に
子どもが備えておけるように教育がされています。
そのため,学校で学んだ直後に急に性的な質問がされたりすることもあります。
こうした質問を拒否や押さえつけたりするのではなく
お子さんが学んだ証拠だと認識しましょう。
また,性的な話を否定的にとらえると
自分の体に対するイメージも悪いものになってしまいます。
親が前向きに,肯定的にとらえることが大切です。
性自認とは
性自認とは自分が自覚する性です。
心の性
と言っても良いでしょう。
例えば男性器がついていたとしても
性自認が女性であれば性的不一致が起きます。
ご本人からすれば自分が思っていることと
体が違うわけですから
常に違和感をもちながら生きていくことになります。
自分への違和感を抱えて生きることは
精神的な健康の面でも困難さを抱えることになりますので
十分なフォローが必要になります。
ただ,思春期頃になると健康なお子さんでも揺らぐことはあります。
また不幸にも性的虐待や性的な事故・事件など深刻な経験すると
自分自身の性を否認するようになり
性自認が大きく揺らぎます。
こうしたことから
性自認については心理的ケアを最初に行い
経過を見ながら,必要に応じて
性同一性障害の診断ができるクリニックに繋げていくことが良いと考えています。
社会的性役割
社会的性役割とは
「男なんだから・・・」「女なんだから・・・」
というように
社会的に役割としての性のことです。
例えばトイレの案内板の色は
なぜ男は黒・青なのでしょうか?
なぜ女は赤やピンクなのでしょうか?
「それがわかりやすいから」
と,つい言いたくなりますが
わかりやすいと思わせているのは
そのように,すりこまれるように教育されてきたからです。
こんな風に意識されないように教育されていることが多いのが
社会的性役割なのです。
女のくせに生意気だ
男のくせにこんなこともできないのか
そんな風に思うことは教育された社会的性役割です。
れっきとした男性だけど女装する人がいたり
女性だけど男性のコスプレをしたり
こうした願望は人は本来持っているもので
コスプレに見られるように最近では趣味として
受け入れられるようになったのかもしれません。
無意識に社会的性役割にしばられていることが
ドメスティックバイオレンスにもつながると言われていますので
自分自身やパートナーとの関係性について考えてみるべきです。
そうすればもっと自由な生き方ができると思います。
性的指向
性的指向とは性に対する方向のことです。
主に3つの志向があるとされています。
- 同性(ホモセクシャル 男ゲイ,女レズビアン)
- 両性(バイセクシャル)
- 無性(アセクシャル)…どちらの性にも魅力を感じない。
早ければ小学生の頃からこのような自覚を持ちますが
特に思春期頃には性的な感覚に目覚め始めます。
その時に
自分が同性愛である
バイセクシャルである
またはどちらにも性的魅力を感じない
こういうことで葛藤が起きます。
異性のことを当たり前のように好きになるのと同じように
このような性的指向は生理的なものであり
理由を尋ねても本人にも答えようのないことです。
ですから
そういうこともあるのだな
と周囲の人は受け止めることが求められます。
性がレインボーカラーである理由
ここまで読んでいただければ
性は実に多様であることがわかります。
少なくとも4×4=16種類はあるということになりますし
程度にも差があります。
明確な境界もないことがわかります。
文部科学省の配慮
こうしたことから,文部科学省でも
平成26年「学校における性同一性障害に係る対応に関する状況調査」
を実施しました。
その結果,性同一性障害の教育相談は606件あったとされています。
またその多くは誰にも話せずにいたのです。
ですから
本当はセクシャリティが原因で不登校になったとしても
原因不明なままであっても不思議ではないのです。
その後の平成27年には
「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、生徒に対するきめ細やかな対応等の実施について」
で服装・髪型・更衣室など自認する性別に合わせるように通達しています。
こうしたセクシャリティの課題が
不登校や学校不適応につながることを認め
各学校への配慮を求めています。
まとめ
今回はセクシャリティ(性のあり方)について解説しました。
セクシャリティは不登校の原因になることもありますので
私も無視することができません。
具体的には
セクシャリティは
- 生物学的性
- 性自認
- 社会的性役割
- 性的指向
に分けて考えることができます。
また文部科学省でも学校に対して
性的マイノリティへの配慮をおこなうよう通達しています。
実態としてまだまだ不十分な点はあるかもしれませんが
私の知っている範囲でも性的マイノリティの子を理解に取り組む学校があります。
私はこの分野については特に不勉強ですが
これから折に触れて学んでいきたいと思います。
参考:文部科学省「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細やかな対応等の実施について(教職員向け)」
https://www.mext.go.jp/content/20201023_mxt_sigakugy_1420538_00002_007.pdf
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