こんにちは ツナカンです。
ふだんは子育て分野支援機関でカウンセラーとして
親ごさんや学校の先生の応援をしています。
最近、相談の中にとても多いのが
子どものネット依存 です。
「やめるように言っても聞きません。発達の偏りのせいでしょうか」
「約束したのに守りません。性格のせいでしょうか」
親ごさんはそんな風に考えることが多いようです。
そして先生たちも家庭へのアドバイスに困っているようです。
私は 性格のせいでも発達の偏りのせいでもない と思います。
これはお子さんの性格や特性のせいではなく
ネット依存になるような環境のせいです。
ですから、まずやるべきことは
環境を変えることなのです。
今回は子どものネット依存を改善するために
必要なことと、必要なものをご紹介します。
子どものネット依存に悩まれている方
にはきっとお役に立つでしょう。
この記事を読むことのメリット
- タイムロックボックスの効果的な活用方法がわかる
- 子どものゲーム・スマホ依存から脱却し、親子の関係を改善できる
- 子どもの自主性を育み、自己肯定感を高めることができる
子どものネット依存にまずやること
子どもがネット依存になる理由はいくつか考えられます。
-
学校での不全感(友だちがいない、勉強ができない、先生と関係が悪い)
-
ネット上での友だち同士のつながり(しがらみ)
ですから、単に子どものネットの利用を制限するのではなく
まずは子どもの話を聞くことが大切です。
子どもと話し合うポイントは
- なぜゲームやスマホに依存してしまうのか、原因を探る
- 子どもの不安や悩みを聞く
- 将来の希望(本当はどうなりたいのか)について話し合う
こんなことが大切になります。
話を聞いたら約束する
子どもの気持ちを理解して将来のために
何をしていきたいと思うのかを共有し
親がそれを応援することを決めたなら
ネットの利用のルールを決めます。
しかし、ここで子どもに反発されて
つまずく親ごさんが多いので
順序を追って解説します。
保護者がルールのひな型を作る
まずは保護者がルールのひな型を作りましょう。
これを一方的に押し付けてしまうと
子どもの強い反発にあうことが少なくありません。
ですからひな型を元に、子どもと話し合って微調整する
ことが必要になります。
ただし、最低限譲れないことは設定しておきましょう。
ルールを守る環境を作る
ルールは親が強気で言い聞かせて守らせるのではなく
“ルールを守る環境を用意する” という意味です。
例えば、一定時間になったら
決められた場所に端末を置くとかWi-Fiを切る。
このように物理的な環境を用意するのです。
スマホのルールに盛り込むべきこと
スマホの利用のルールに盛り込むべきことや
守ってもらうためのポイントは以下の通り
- どんな時に、どれくらいしても良いのか(夜間は制限する)
- ルールを守れなかったときのペナルティ
- ペナルティは子どもも親も守れるものにする
- 子どもにサインさせる
制限やペナルティは、子どもの将来のためです。
ほんのちょっとだけ我慢すれば耐えられる程度の
制限を加えて、その分は勉強や運動などに充ててもらう。
使わせないのではなく、いつ、どれくらい使えるのかが
わかっていれば子どもの抵抗感は下がるものです。
またペナルティは大きすぎても小さすぎてもダメです。
大きすぎるペナルティは守ってもらえませんし
小さすぎるペナルティは効果がありません。
決めた時間を10分破ったら
翌日は15分短くするくらいの方が
子どももペナルティを引き受けてくれます。
制限するときには、躊躇も妥協もしてはいけません。
約束の紙は印刷し、子どもにサインしてもらいましょう。
そしていつでも見えるところにおいておきましょう。
約束と矛盾するような環境を作ってはいけません
先述した通り「20:00まで」と決めたなら
それ以降は端末を子どもの手の届かないところに置くとか
Wi-Fiをつながないようにするなど
子どもの理性や意志に頼らない環境 を
親が作らなければなりません。
私の経験上、これが守れる家は
スマホ依存の程度を下げることができましたし
これができない家はなかなか生活が改善しません。
話し合い・ルール以外に大切なこと
こうして話し合いをしてネットのルールを決めて
終わりにしてしまうのではなく
それ以外にも必要なことがあります。
- ゲーム・スマホ以外の楽しいことを見つける
- 運動、読書、音楽、絵画など、興味のあることを見つける
- 家族みんなで一緒に楽しめる趣味を見つける
ゲームやスマホではなく、現実世界での交流を楽しみ
会話や遊びを通して、親子の絆を深める
こんな機会が必要です。
もし学校にも行かずにネット依存になっているなら
適応指導教室やフリースクールを使って
社会とつながれる場所を活用しましょう。
他にも
- カウンセラーに相談する
- 医療機関や相談窓口を利用する
これらをうまく組み合わせることで
子どもが少しずつネット依存から
脱却することができるようになります。
理性や心がけはあてにしない
くれぐれも、子どもの理性や心がけを当てにしてはいけません。
あてにすべきなのは習慣 なのです。
先ほど、子どもの手の届かないところに
端末を置くということをお伝えしましたが
しばしば、一度は置いたものの親の目を盗んで使ってしまったり
日中親がいない時間に、ネット浸りになることがあります。
そんな時にはやはり道具に頼らねばなりません。
そんな時にべんりな道具が
タイムロックボックス
です。
タイムロックボックスとは?
設定した時間まで、スマホやゲーム機を物理的にロックするアイテムです。
強制的にゲーム・スマホから離れる時間を作ることで
生活習慣を改善するようにします。
意思の力だけでは難しい依存症対策も
物理的な制限をかけることで効果的にサポートできます。
時間管理能力を養い、生活習慣を改善し
規則正しい生活を送ることで、心身ともに健康な状態に近づけます。
また勉強や習い事など、他の活動に集中できるようにもなります。
こうして自分で時間を管理できるようになることで
自信をつけるきっかけにもなるのです。
タイムロックボックスの選び方
- サイズ:スマホやゲーム機が入るサイズを選ぶ
- ロック時間:細かく設定できるものを選ぶ
- 耐久性:壊れにくい丈夫なものを選ぶ
- デザイン:子どもが抵抗感なく使えるものを選ぶ
- 価格:予算に合わせて選ぶ
個人的に携帯できるタイプと
中身が透けているものはお勧めしません。
なぜなら、親のいないところで壊すことができたり
透けて見えることで「速く解放されないかな…」と
集中力を奪うことになるからです。
各家庭の状況やお子さんの状態にもよりますが
個人的にはある程度重さがあって
中身は見えない方があきらめがつきやすいと思います。
まとめ
タイムロックボックスはあくまでもサポートです。
話し合うことを大切にしながら
少しずつ依存から脱却していきましょう。
オンラインカウンセリングもやってます。
「やってみたけど、うまくいかない!」という時にはご利用ください。
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